2010年11月27日
ハイダーの役割
M4系他のアサルトライフル、SMGモデルのカスタムパーツの一つとして定番なのがフラッシュハイダー。
日本語に訳されると「消炎器」です。
最近はこの部分がスパイク状になっており、打突武器としての機能やコの字状にしてワイヤーをカットするのに使ったり、と多機能化が進んできていますが、本来この部分は消炎、つまり発射炎の低下を狙ったものです。
エアガンだとどうしても「発射炎」自体が無いため想像し辛いのですが、これは結構重要なポイント。
と言うわけで今回はハイダーの話です。
ハイダーの機能
左の写真は以前に「ムダ話」で取り上げたリボルテックのフィギュア。その付属品に「エフェクトパーツ」と言うのが着いておりまして、写真の様に銃を乱射している状態を再現出来る様になっています。

この光、発射炎を四方や八方なんかに広げるのがハイダーの役割なんです。
何故発射炎を拡げるのか?これはもちろん意味があります。それは「少しでも目立たなくすること」と「射手の目を守るため」の2点。
「拡げたら逆に目立つンじゃ?」
と思われるかも知れませんが、ハイダーを使わず、そのまま筒先から発射炎を噴出させると使用弾薬にもよりますが、とんでもない炎が噴出します。私も直接見たことがあるわけではないんで明言は出来ないのですが、とある小説ではハイダーなしで7.62mm弾を発射すると夜間だと2m近い火柱が噴出すそうです。この火柱はかなり目立ちますし、光源がでかくなるとそれだけ回りを照らします。勿論射手の目にも強い光が入りますから目に負担が掛かります。それにそれだけ大きな火が出れば引火の恐れも出てくるわけです。
これがハイダーを使用すれば、前では無く、横方向に分散して噴出させられますので炎が延びず、光量も抑えられます。目立つのを抑えられますし、射手の目への負担も軽く出来ます。引火の恐れも小さく出来ます。
単発式のスナイパーライフルや使用火薬の少ないハンドガンではそこまで重要では無いパーツですが、フルオート射撃を行うアサルトライフルやSMGでは連続して炎を噴出し続けるだけになかなか重要です。

このタイプは側面方向に対物狙撃銃ならではの強力な発射ガスエネルギーを向きを揃えて噴出させ、銃の反動などを抑制しています。
発射炎、発射ガスが極端に強力な同モデルならでは、と言えます。
これは元々は戦車など、人間が使う銃とは比べ物にならないぐらい強力な「砲」で採用されていた方式、と言うことになります。
射撃制御よりプラスアルファの機能を優先しているものとして代表的なのが「スパイク」機能を持たせたもの。
写真はディアブロタイプと呼ばれる、その中でも特に強烈なタイプですが、他にも様々な形状のものがあります。
このタイプは共通して、先端部分を尖らせた形状をしており、近接戦時などでは射撃が間に合わない、又は射撃が許されない状況でこの鋭い先端で相手を突くと言う使い方を行います。この形状ですからまともに喰らった場合は「痛い」では済みません。
勿論エアガンではそんな使い方はありえませんし万が一そんな使い方をした場合は恐らく銃がもたないだろうと思われます。しかしもっとも機能が想像しやすくある意味「身近」なものだと言えるかもしれません。
また一時期はやったタイプとしてコの字型の「リーバーカッター」と言うハイダーもありました。
これは写真の様に先端が2つに分かれた形状。この間に有刺鉄線などを挟み銃を撃つとワイヤーを切ることが出来る、と言うなんだかアイディア賞的ハイダー。しかし最近はあまり見なくなってきていますね(やはり細い先端と言うことで破損が多かったのでしょうか?)。
ノベスケ、又はノベスキーなんて呼ばれる、炎を噴出すブタがトレードマークのこのハイダーは従来のものより複雑な内部形状となり、より効率よく炎を消化出来る様になっています。
炎を上手く処理できるおかげで使用に柔軟性を持たせることができますし、銃を向けられた際に今までと違った巨大な銃口(に見える)形状により心理的圧迫も非常に強いそうです。
PMC系から火が付いたこのハイダーの人気はPMC人気と共に現在エアガンユーザーに支持されています。
最後がQDサイレンサーとセットのハイダー。
これは一般的な形状のハイダーやスパイク的な機能をプラスしたものが多く、さらに根元部分にネジを切ったり特別な形状にしておくことでサイレンサーをワンタッチ(か、それに近い手順)で着脱出来る様にしているもの。専用の特殊形状のものが多くありますが、一部はM4通常ハイダーに対応するつくりにしたサイレンサーも存在します。

エアガン用のハイダーパーツは、正直なところ「形状の再現」以上の機能を持たせているものが少なく、最後のサイレンサー装着の機能以外ではあまり「実効果」と言うものがあるタイプは有りません。
発射炎の出ないエアガンではそもそもの機能が不要である点を考えれば当然なのですが、それだけに機能をよりイメージで補完し、拘ってチョイスするとカスタムの楽しさが増してきます。
是非、皆さんも自分なりのこだわりを色々と発揮して、オリジナリティのある組み合わせを開発してみてください。
