2010年08月01日
TACTICAL LIGHT


現在の軍・警察を問わず銃撃戦などの戦闘が考えられる状況、特に室内への突入などが想定される現場において、その現場の声として「タクティカルライトの無い状況は考えられない」「タクティカルライト無しでの作戦立案は極力避けたい」と言われています。
これほど高い信頼を得ているタクティカルライトとは具体的にどの様なものを言うのでしょう。
タクティカルライトとはどの様なタイプのライトを言うのか、と調べてみたのですが、どうも具体的に「これがタクティカルライトだ」とする定義は存在しないようです。
そこで逆接的に考えて見る事にします。
タクティカルライトと呼ばれるライトの特徴として
・直視不可能なほどの強力な光(大光量)
・長距離を直進する拡散しない光(スポット光)
・素早いオンオフが可能なスイッチシステム
この3つが全てのモデルで共通しています。つまりこの3点を備えていればタクティカルライトだ、と言えるのでは無いでしょうか。
上記の機能を持つライトの具体的な目的は
・強力な光による目潰し
・強力な光による眩惑
の2点だと言われています。
強力な光を当てることで標的(敵)は反射的に(目を保護しようと)目を閉じることになります。
また突然強力な光にさらされた場合、生物は瞬間的にパニックになり一時的に行動と思考が停止します(これを眩惑と呼びます)。
この2点により標的(敵)は
・視界を奪われ
・動きが止まる
別けです。一瞬とは言えこれは大きなポイントです。
さらにタクティカルライトを使用するこちらは標的(敵)をハッキリと照らし出し、狙いやすくする、と言うアドバンテージまで得られます。

本格的な使い方、テクニックなどはそれだけで1冊も2冊も本が書けるほど多岐にわたり、また細かな点が多数あります。ここでは極基本的的な点を説明いたします。
最も基本的かつ重要なのは
・点けっ放しにしない
と言う点。
タクティカルライトはその大光量と引き換えに電池の持続時間が短い、と言う難点があるのもありますが、2つの目的をより効果的に発揮するためにも重要なポイントになります。
目潰し・眩惑ともに「不意に」「突然に」、「強い光を直視した」事で発生します。しかしサーチライトの様に光がこちらに向かって走ってくる様な状況なら来るのが予測できますから「不意に」でも「突然に」
でもありません。そもそも「直視」しません(避けるでしょう)。
また、サバイバルゲームでは基本的に複数対複数ですから、ライトを点けたままウロウロしていたのでは他の敵からも見つかり、いい的にされてしまいます。
点けっ放しでの使用方法と言うのも無くは無いんですが、とりあえず最初は出来るだけ点灯する時間を短くする、と言うのを念頭に置いた使用スタイルを覚えて行きます。理想はカメラのフラッシュの様に
一瞬で相手の顔を照らす、と言う使い方です。パッと照らしすぐに止める。そのわずかな間に攻撃を終わらせる、と言う使い方です。

タクティカルライトと一言で言ってもその種類・形状は実に様々です。
ここでは簡単にそれらを纏めてます。
-バルブ-
電球部分ですが、これは高輝度バルブと呼ばれるキセノンが以前は主流でした。タクティカルライトの元祖、シュアファイアの初期モデルがキセノンバルブを採用しており、また目潰し・眩惑の効果を発揮する「65ルーメン以上」と言う出力を可能にするバルブが当時はほぼキセノンのみだったことからです。
しかし現在は技術の進歩によりLEDバルブが主流になってきています。以前は拡散率が高く、近くでは明るいが少し離れると途端に効果を著しく落すLEDバルブでしたが現在は十分使えるようになってきており、急速にその勢力を拡大しています。まだ到達距離などでは若干キセノンに劣るところがありますが、完全に追いつき追い抜く日もそう遠く無いと思われます。今から選ぶのであれば電池の消耗が抑えられ、バルブ自体の寿命も長いLEDはオススメです。
-サイズ-
一般的にタクティカルライトは123Aリチウム電池を使用しています(一部例外あり)。そのためサイズの説明ではその電池を何本使うのか、で行います。
最も普及しているのが2本タイプ。上記の65ルーメンクラスや最近では120ルーメンクラス(LED)の光量と十分な性能を持ち手頃なサイズと始めての一本にもお勧めです。
大型タイプだと電池が3本以上のタイプ。大型モデルらしい、大出力が特徴で120ルーメンクラスを下限に大出力のものだと500ルーメン以上など圧倒的なものが多くあります。
逆に小型なのが電池1本タイプ。電池が1本になり、その分長さが短く、よりコンパクトになります。電池1本ということでどうしても出力が不足しがちで一時期は殆ど姿を消してしまいましたが、最近のLEDバルブの登場により復権してきた感があります。
-形状-
ライトの形状も色々な形があります。簡単に形状の特徴とポイントをご説明します(形状名は便宜的に私がつけたものです)。

元祖タクティカルライト、シュアファイア6Pオリジナルに代表されるシンプルな筒型。電池2本ならそのまま直列に繋げたスタイルです。
最も普及したスタイルで、手持ちでのハンドガンとの併用に適しています。
持ち方は逆手持ちで、テールスイッチと呼ばれるお尻側にあるスイッチを親指で操作します。ハンドガンを持つ手と手首の部分でクロスさせ、銃を持つ手が上、ライトが下に成る様に構えます。ライトを持つ手首を返して手の甲同士を着けるようにして銃の構えを安定させる構えが一般的。
銃に固定しないので運用の幅があり、汎用性に優れたタイプ。ただし、上記の様に独特の構え方を覚えなくてはならないなど使い方は少々テクニカル。
オプションパーツも豊富にある場合が多く、オプションの追加で下記マウント付き型として使用することも可能。
シュア型にレールへの取り付けマウントが一体化したもの。主にM4等のハンドガード部にレールを持つカービンライフルやアサルトライフルにセットしての運用向け。リモートスイッチが付いてる場合が殆ど。
通常のシュア型とパーツの互換が効いたりすることもあるなどのメリットがあるが、基本的に手持ちでの使用には向かない(マウントパーツが邪魔)。
かなりの大型タイプも存在し、サイズは非常に豊富。
ストリームライト社のM3ライトを祖に持つスタイル。電池は前後直列では無く左右に配置。全長が短く左右に太い形状で、主にハンドガンへの装着に向いた形状。
リモートスイッチを備えるモデルも多いが、ハンドガンでフレーム下部のアンダーレールにセットした時に非常に使いやすい「シーソー式」のスイッチを持つモデルが多くあります。
このシーソースイッチは上げる、または下げるとスイッチが入り、反対側にも連動したレバーがあります。左右どちらからでも操作が可能で左右の持ち手をスイッチした際にも操作できるなどタクティカルでのメリットは非常に大きくなっています。
ハンドガンでの使用に適していますが、リモートスイッチを持つモデルならライフルでも十分運用可能。
手持ちでの使用は使いやすくは無いですが、可能ではあります(人によっては十分使いやすい、と言う方もいます)。
まとめ
タクティカルライトは特に夜戦や室内戦などでその威力を発揮してくれます。
使いこなす基礎は要求されますが、それほど難しくなく、それでいてその威力は非常に高いものがあります。これからの季節は特に夜戦をする機会も多いだろうと思います。ぜひ自分の持っている銃や自分のスタイルに合ったライトを見つけ出し、フィールドに持っていくのをオススメします。