2010年12月10日
粘りつく海~サルガッソ海~

皆さんは「バミューダ・トライアングル」と言うのをご存知でしょうか。
北米のリゾート地、フロリダ半島先端・プエルトリコ・バミューダ諸島の3箇所を結んだ3角形の海域で、古くから事故の多い、魔の海域であると言う伝説が有る場所です。
30代以上の人だと子供の頃に「世界の七不思議」なんてタイトルの本で見たことがある方も多いのでは?
この海域では船舶や飛行機などの遭難から乗組員だけが煙の様に消えるなど、様々な不思議なことが起きるとされ、「異次元」に繋がっている、なんて言われていました。
海の浪漫と恐怖を演出する話でしたが、流石に現代では情報も精査され、大半は通常の船舶事故や飛行機事故であり、「ありえない」とされる超常現象的事件(船員のみの消失など)はその殆どが「デマ」である事が確認されています。
しかし実はそんな伝説では無い、本当に恐ろしいことがこの海域には存在しているのです。

サルガッソー、またはサルガッソと言う言葉を聴いたことが有りますでしょうか。
SF作品などでも度々出てきたりするこの言葉、これはある特殊な海域を指す言葉です。
バミューダトライアングル内にあるこの海域には4つの海流が集まり、渦を作っています。その渦は非常に大きく、時計回りに回っています。この渦自体は船を飲込んだりするするような強力なものでは有りません。しかし4つの海流があつまることである恐ろしいものが集まるのです。

非常に粘りの強いこの海藻が基のドロドロがそこに来た船を絡め取ります。絡め取られた船が大型の、現代の船の様な強力な動力を持っていれば脱出は可能ですが、初期の蒸気駆動の外輪船や風の力で進む帆船だった場合、脱出は殆ど絶望的となります。また現代でも小型船舶などは同様です。
捕まった船は動けず、徐々に食料と水を浪費し結果はその船の全滅となります。
船員が死に絶えた船は幽霊船になりさらに留まり続け、やがては朽ち果てて沈没していくそうです。
この海域には多くのそう言った船があったようで、古くから地元の船乗り達から恐れられていました。かのコロンブスも報告しているそうです。
この海域での悲惨な死が尾ひれが付いて話され、出来上がったのがバミューダトライアングル伝説ではないか、と現代では言われているそうです。
異次元とかそういう浪漫では無く、もっと現実的な恐怖だった、と言うのはなんとも皮肉ですが、実際海のど真ん中で船が動けなくなった時の絶望感は下手な怪談なんかよりよっぽど怖いですね。