2011年05月11日
アルカイダという組織?
画像使いまわしでの第二弾。アルカイダのお話です。
巨大テロ組織「アルカイダ」?
先日アメリカ特殊部隊「SEALS Team6」により射殺された「ビンラディン」。
日本のマスコミなどでは「巨大テロ組織の代表者、ビンラディンが射殺される」と言う感じで報道していたりします。
しかし調べて見るとこれがどうもそう簡単な話ではなさそうな雰囲気です。
まず、そもそも「アルカイダ」と言う「巨大テロ組織」は存在しません。
組織、と言うのは一般的に少数の代表者を頂点にピラミッド型ヒエラルキー(上下関係)を築くのが一般的です。これは意思決定の「頭」は少ない方が決定スピードが速く、組織全体としての動きが極めて迅速で一度に発揮できる力(マンパワーとか)も一点集中型で非常に強力。全体に極めて「強力な力を振るえる」組織体系です。ある意味攻撃力に秀でた組織構成と言えるかもしれません。
いかにも「悪の魔王」を頂点に頂く「悪の組織」型ですがアルカイダは実はこのタイプの組織ではありません。
アルカイダはこの対極にある「ネットワーク型組織」なのです。
巨大テロネットワーク「アルカイダ」
私が以前読んでいたライトノベルに出てきた敵組織と同じタイプ「ネットワーク型」。
このタイプは厳密には一つの巨大な組織ではなく、小さな組織がいくつも集まって出来た集合体型である、と言う点が特徴です。
あくまで組織自体はバラバラのもの。それがお互いの利害や理念、目的などで手を組んだり、協力し合ったり、と言うのがこの組織の基本形で、意思決定が極めて遅い(みんなの意見の摺り合わせなどが必要ですから)うえに瞬間的に発揮できるパワーもピラミッド型よりも低くなる傾向にあります。
ただ単組織ではなく多数の組織の集合体ですから一部が切りかかれても全体にあまり影響が無く、組織そのもののダメージは最小限に抑えられます。一部が駄目になってもその残りが他へ吸収合併されて体力低下が少ない、と言うわけです。
また瞬間パワーは劣る、と上でも書きましたが全体の総量としてのパワーは単組織のそれよりはるかに大きく出来る可能性が有り、時間を掛けて下準備をするなどの手間や難しさはありますが、単組織では実現できない大掛かりなことがやれる「可能性」があります。
この様に動きは緩慢な、所謂ノロマで鈍重ですが、その分タフで内包するパワーには恐るべきものがある、と言うのがネットワーク型の特筆するべきポイントです。
アルカイダ、と言う組織はこのネットワーク型です。上にも述べたとおり「アルカイダ」と言うのは一つの組織名ではなく、言うなれば運動や活動の名前や複数の組織がひとつになった全体の呼び名、と言うことになります。「花を植えよう」とか「ストップ!○○」見たいな一つの目的をみんなで草の根的にやろう、と言うときのその運動名とか、そう言うのが「アルカイダ」と言う感じでしょうか。
反米・反ユダヤの下集まった全てが「アルカイダ」となるわけです。
ビンラディンは商店会の会長?
さて、そうなると先日殺された「ビンラディン」と言う人物はどういった立ち位置に居た人物なのでしょう。
マスコミでは「アルカイダのナンバーワン」「アルカイダの首領と目される」などなど、「巨大テロ組織アルカイダの頂点」的に言われてたりしますが、上の通りアルカイダ自体の構造がそもそも違うわけですからこの説明はおかしなことになります。
正確には「アルカイダの中でも特に有力な組織のナンバーワン」と言ったところでしょうか。
例えば商店街に昔からよくある「商店会」の会長さんが「ビンラディン」と言う人、と言った感じでしょうか。アルカイダ商店街の商店会の会長さん、と言った感じ。
所属する各お店や関連する会社とかは大小さまざまです。
会長は色々なイベントの呼びかけや商店街の決まりごとを色々と提起したり、仕切ったりはしますが、各店の店長さんに「あんたのところでアレを売るな」とか「お前のところでセールをやれ」とかと命令することは出来ません。あくまで協力を求める立場。
詳しいところはもちろん判りませんが、恐らくアルカイダと言う集まりの中でのビンラディンと言う人の立ち位置はそんなところだったのではないかと思われます。もちろん有力者であり、その発言権は非常に大きなものだったのでしょうがピラミッド型の様に絶対的な命令権は有していない、と言う感じだろうと考えられます。
今後の見通しの暗さ
最後に、今後の見通しと言うか、先の展開と言うか。
私は分析者でも科学者でもジャーナリストでもない、単なる一小市民ですから大したことは言えませんが、それでも先があまり明るくないだろうな、と言うのは想像できます。
アルカイダがピラミッド型組織であればその頂点、もしくは極めてそれに近い位置に居る人物を排除できたことは非常に大きなダメージを組織に与えたことになります。
ピラミッド型組織の基本は頂点に立つ人物のカリスマが非常に重要となります。その人物のカリスマが組織を引っ張っていくからこそ強力に活動できるわけですが、この人物が居なくなれば組織自体が自然分解しかねません。
ところがアルカイダはネットワーク型なだけに上記の通り実にタフな組織構成になっています。恐らくしばらくは宣伝塔でもあり牽引的立場でもあったビンラディンを欠いたことで動きが鈍くなるだろうとは思いますが、いずれはまた似たような新しい「頭」が登場し、元の木阿弥となってしまうだろうと事は想像に難くありません。
恐らく、この話を最終的に本当の意味で決着するためには「首謀者」を探し出してどうこう、よりもそもそも「何故そのような行動が行われているのか」の部分を根治しない限りいつまでも続いてしまうんだろうと思います。
巨大テロ組織「アルカイダ」?
先日アメリカ特殊部隊「SEALS Team6」により射殺された「ビンラディン」。
日本のマスコミなどでは「巨大テロ組織の代表者、ビンラディンが射殺される」と言う感じで報道していたりします。
しかし調べて見るとこれがどうもそう簡単な話ではなさそうな雰囲気です。
まず、そもそも「アルカイダ」と言う「巨大テロ組織」は存在しません。
組織、と言うのは一般的に少数の代表者を頂点にピラミッド型ヒエラルキー(上下関係)を築くのが一般的です。これは意思決定の「頭」は少ない方が決定スピードが速く、組織全体としての動きが極めて迅速で一度に発揮できる力(マンパワーとか)も一点集中型で非常に強力。全体に極めて「強力な力を振るえる」組織体系です。ある意味攻撃力に秀でた組織構成と言えるかもしれません。
いかにも「悪の魔王」を頂点に頂く「悪の組織」型ですがアルカイダは実はこのタイプの組織ではありません。
アルカイダはこの対極にある「ネットワーク型組織」なのです。
巨大テロネットワーク「アルカイダ」
私が以前読んでいたライトノベルに出てきた敵組織と同じタイプ「ネットワーク型」。
このタイプは厳密には一つの巨大な組織ではなく、小さな組織がいくつも集まって出来た集合体型である、と言う点が特徴です。
あくまで組織自体はバラバラのもの。それがお互いの利害や理念、目的などで手を組んだり、協力し合ったり、と言うのがこの組織の基本形で、意思決定が極めて遅い(みんなの意見の摺り合わせなどが必要ですから)うえに瞬間的に発揮できるパワーもピラミッド型よりも低くなる傾向にあります。
ただ単組織ではなく多数の組織の集合体ですから一部が切りかかれても全体にあまり影響が無く、組織そのもののダメージは最小限に抑えられます。一部が駄目になってもその残りが他へ吸収合併されて体力低下が少ない、と言うわけです。
また瞬間パワーは劣る、と上でも書きましたが全体の総量としてのパワーは単組織のそれよりはるかに大きく出来る可能性が有り、時間を掛けて下準備をするなどの手間や難しさはありますが、単組織では実現できない大掛かりなことがやれる「可能性」があります。
この様に動きは緩慢な、所謂ノロマで鈍重ですが、その分タフで内包するパワーには恐るべきものがある、と言うのがネットワーク型の特筆するべきポイントです。
アルカイダ、と言う組織はこのネットワーク型です。上にも述べたとおり「アルカイダ」と言うのは一つの組織名ではなく、言うなれば運動や活動の名前や複数の組織がひとつになった全体の呼び名、と言うことになります。「花を植えよう」とか「ストップ!○○」見たいな一つの目的をみんなで草の根的にやろう、と言うときのその運動名とか、そう言うのが「アルカイダ」と言う感じでしょうか。
反米・反ユダヤの下集まった全てが「アルカイダ」となるわけです。
ビンラディンは商店会の会長?
さて、そうなると先日殺された「ビンラディン」と言う人物はどういった立ち位置に居た人物なのでしょう。
マスコミでは「アルカイダのナンバーワン」「アルカイダの首領と目される」などなど、「巨大テロ組織アルカイダの頂点」的に言われてたりしますが、上の通りアルカイダ自体の構造がそもそも違うわけですからこの説明はおかしなことになります。
正確には「アルカイダの中でも特に有力な組織のナンバーワン」と言ったところでしょうか。
例えば商店街に昔からよくある「商店会」の会長さんが「ビンラディン」と言う人、と言った感じでしょうか。アルカイダ商店街の商店会の会長さん、と言った感じ。
所属する各お店や関連する会社とかは大小さまざまです。
会長は色々なイベントの呼びかけや商店街の決まりごとを色々と提起したり、仕切ったりはしますが、各店の店長さんに「あんたのところでアレを売るな」とか「お前のところでセールをやれ」とかと命令することは出来ません。あくまで協力を求める立場。
詳しいところはもちろん判りませんが、恐らくアルカイダと言う集まりの中でのビンラディンと言う人の立ち位置はそんなところだったのではないかと思われます。もちろん有力者であり、その発言権は非常に大きなものだったのでしょうがピラミッド型の様に絶対的な命令権は有していない、と言う感じだろうと考えられます。
今後の見通しの暗さ
最後に、今後の見通しと言うか、先の展開と言うか。
私は分析者でも科学者でもジャーナリストでもない、単なる一小市民ですから大したことは言えませんが、それでも先があまり明るくないだろうな、と言うのは想像できます。
アルカイダがピラミッド型組織であればその頂点、もしくは極めてそれに近い位置に居る人物を排除できたことは非常に大きなダメージを組織に与えたことになります。
ピラミッド型組織の基本は頂点に立つ人物のカリスマが非常に重要となります。その人物のカリスマが組織を引っ張っていくからこそ強力に活動できるわけですが、この人物が居なくなれば組織自体が自然分解しかねません。
ところがアルカイダはネットワーク型なだけに上記の通り実にタフな組織構成になっています。恐らくしばらくは宣伝塔でもあり牽引的立場でもあったビンラディンを欠いたことで動きが鈍くなるだろうとは思いますが、いずれはまた似たような新しい「頭」が登場し、元の木阿弥となってしまうだろうと事は想像に難くありません。
恐らく、この話を最終的に本当の意味で決着するためには「首謀者」を探し出してどうこう、よりもそもそも「何故そのような行動が行われているのか」の部分を根治しない限りいつまでも続いてしまうんだろうと思います。