2010年12月15日
AK47 HC レビュー
東京マルイ 2010年年末の新製品の一つ、AK47 HC(ハイサイクル)のレビューです。
今回はハイサイクルシリーズに関する考察も簡単に述べてみました。
AKショーティー
第一次のイラク戦争の後期あたりからチラホラ見られたのがAK47とM16の融合したようなモデル。
基本の発射システムはAK47でありながら、グリップやフロント、ストック周りやサイト周りなどがアーマライトと同様の形状になっており、ある程度の互換性まで持たせたこれらのモデルは中東での不正規作戦に従事する特殊部隊で運用されるのを目的として作られました。
なぜ、優秀なM4やそのバリエーションが幾つもあるのに、わざわざAK47の亜種の様なモデルを作るのか?
これは実に単純な理由で、最も大きいのは現地で弾薬の入手が容易になるからです。
当然のことながら銃はどんなに高性能でも高威力でも弾が無ければ役に立ちません。
不正規戦闘、不正規作戦においては弾薬などの補充を必要時にいつでも受けられるとは限らず、それだけに現地で広く使われているモデルと弾を共通にするのは非常に大きなメリットとなります。
このメリットを求めたのは特殊部隊員だけではありませんでした。
ある意味特殊部隊以上に弾薬などに制約が生まれやすい民間軍事会社・警備会社(PMC)の現地スタッフに取ってはより密接な問題だっただけに、かなり早い段階でAKをメインの装備へと加えることは行われていました。
彼らは現地で入手できるAKにさらに独自のカスタムを加えて、M4のオプション展開能力などを付加したり、と必要に応じて様々なカスタムを施しています。
今回発売となったAK47HCもそう言ったカスタムモデルの一つと非常に近いスタイルになっています。
彼ら特殊部隊員やPMC達は特に近接での戦闘が多くなるだけにショートモデルを愛用している傾向が強く、ベータスペツナズベースのこのモデルは正にPMCモデルそのもの、と言った風情になっています。
ベータスペツナズとHC
東京マルイのスタンダード電動ガン「AK47β(ベータ)スペツナズ」は元々非常に高い人気を誇るモデル。
ギリギリのショートスタイルとなっているフロントに固定ストックを備えたこのAKはその見た目のアンバランスさとは裏腹に非常に優れた前後バランスとなっており、特にアタッカー系のゲーマーに支持されています。
250連多連装マガジンが標準で付属している点も大きなポイントでした。勿論AKのシリーズなので600連マガジンの使用が可能と言う点も重要であり、ベータはアタックから支援まで幅広く使える優秀なモデルだと言えます。
そのベータの遺伝子を正統に受け継ぐ今作のハイサイクル(HC)も、今後ゲームスペシャルモデルとしての期待が掛かります。
取り回しの良さ、250連標準で600連も使える強力なファイアーパワー等のベータの良さはそのままに、内部をハイサイクルとし、さらにストックは発展性の高いM4と共通のタイプ。
このM4ストックが使える点は今作でハイサイクル化以上に大きな恩恵をユーザーに与えてくれる可能性があります。
M4はご存知の通り、現在最もカスタムパーツが豊富なモデル。
当然、主要部位の一つであるストックも新旧様々あわせればそれこそ星の数ほどの種類が存在します。勿論その全てを使用出来る、と言うわけではありませんが、大部分は流用可能となっている今作は、この圧倒的な発展性の一部を手にする事が出来るわけです。
M4用のカスタムストックは形状・機能が本当に様々あり、単純なストック以外にも射手に合わせて変形するものや、様々なものを収納することが出来たりなど、実にそのスタイルは様々。
本来なら新しいモデルが出たら、それに対応するパーツが出揃うのを待つのですが、このモデルでは既に出揃ったところに登場した格好なので、イキナリ様々なものを選ぶことが出来る、と言うのは実に大きなポイントだと言えます。
このポイントに加え、シリーズであるAK47、AK47S、ベータのユーザーが長年切望したマウントベースが標準装備となった点も見逃せません。
AK47シリーズは実銃で光学サイトを使うケースが少ないからか、何故かメーカー純正でマウントベースがオプションとして用意されることがありませんでした。
そのため、光学オプションを使いたいユーザーは社外のマウントを選ぶしかない状況でしたが、取り付けに一部加工が必要であったりと若干難易度の高いものが多く、特にビギナーユーザーや工作などが苦手なユーザーに取っては歯がゆい思いをさせられてきました。
それだけに今回、標準で20mmマウントベースが着いているというのは大きなポイントだと言えます。
流石にバッテリー交換の度に着脱されるアッパーフレーム上部に有る為、新型の固定方式を取っていても精密射撃用スコープ等を使うのには向きませんが、中~近距離でのドットサイトなどの使用で有れば充分な実用性を備えます。
またこのマウントベースへの変更に併せ、リアサイトがM16A2系に近い形状・方式となっており、高い視認性となっています。正直このサイトの性能なら光学サイトが無くても充分、と言えるほどです。
ハイサイクルのメリット・デメリット
今作が第4弾となる東京マルイのハイサイクルカスタムシリーズ。
勿論今更説明の必要も無い、通常モデルに比べ連射のサイクルを向上(1秒間に発射される数の増加)したメーカーカスタムモデルです。
秒間発射数の増加はそのまま判り易い「戦闘力アップ」であり、実にゲームでは有効なカスタムだと言え、東京マルイでも有る意味満を持しての登場でした。
このモデルでも専用のモーターを作ったりと、メーカーのやる気の高さも見て取れますが、元来カスタム専門ショップでも上級者向けとして施されてきたチューンメニューなだけにビギナーユーザーに取っては少々敷居の高いモデルとなってしまっている点が気になります。
ハイサイクルはその性質上、メカボックスへの負担が大きく、さらに一時的な弾詰まり(完全に詰まっているのではなく、少し出づらくなったぐらい)でもあっけなく破損したり、通常の電動ガンに比べメンテナンスのサイクルが早かったり、パーツの磨耗が早かったりといった感じで、全体に「扱うのに知識が要求される」タイプのモデルとなってしまっており、各専門カスタムショップが施した限界ギリギリのチューンに比べれば余裕を持ったつくりだとは言え、全く知らないビギナーには扱いきれないケースも多いようです。
折角魅力的なコンポーネントを持つモデルだけに、一部の中~上級者ユーザーだけでなく、初心者ユーザーにも使ってもらいたいだけに、場合によってはハイサイクルの封印も良いかもしれません。
今作では従来機同様にS型のEG30000モーターをセットしてきていますが、コレをEG1000へと換装すればサイクルを抑えることが可能です。詳しくは各カスタムショップさんに相談するなどをオススメしますが、ハイサイクルに拘らず、敢えてノーマルサイクルにするのも有効な手段。このモデルの構成ならばそれでも充分なメリットを得ることが可能だと言えるでしょう。
ハイサイクルとの付き合い方
ハイサイクルが扱いが難しい、と言う点はメーカーも把握しており、マニュアルに「ハイサイクルカスタム、使用上の注意」と言う補足説明を付けて来るに至っています。
基本はこの部分を守って使えば、と言いたいところですが、少々足りない点も有ります。
その最も重要なものの一つがトリガーの引き方。
電動ガンはトリガーをゆっくり、徐々に引くとスイッチの構造上、中途半端な通電が為されてしまうことが有ります。この中途半端な状態はスイッチにも大きな負担をかけますが、モーターにも影響を与えます。特にハイサイクル系に振られたチューンのモーターであるEG30000では負担も大きい為、スイッチ(トリガー)はできるだけ簡潔に、スパッと引いてスパッと放す、と言う使い方が良いようです。
またトリガーを引いていられる時間も重要です。
モーターは一部ショップのカスタムモーターをのぞけば基本的に回転時間が延びていくに従ってある程度まで加速して行きます。
EG30000も加速傾向のあるモーターで、あまり長時間のトリガーは限界を超える恐れが有ります。またこの様な使い方をすると発熱率も非常に高いため、補足説明にもある「グリップ(モーター)が加熱した場合」にすぐなってしまいます。
これらを避けるためにはトリガーを一回に引いている時間もできるだけ短くしておくべきでしょう。
具体的な数値は確認してはいないので言い切れないのですが、以前に聞いたとあるカスタムショップの推奨トリガー秒数は1秒前後で2秒未満で、と言うものでした。1秒でも十数発は発射されますから、10~20発撃ったらトリガーを放す、とすれば良いのでは無いでしょうか。10~20発撃ったらトリガーを放す、また10~20発撃ったらトリガーを放す、また・・・と繰り返していくわけです。トリガーの引き方自体は上記の通り、スパっと。長時間、ブーンと撃ち続けるよりも弾数のカウントもしやすくなりますし、オススメな運用方法です。
最後に
AK47HCはハイサイクルシリーズと言うこともあり、どちらかと言うと初めての方よりも経験があるユーザー向け、と言えます。マルイの上級者向けシリーズ、と言えるのかもしれません。
しかし、モーターを組み替えたりすればビギナーの方でも安心して使えるようになりますし、上記の撃ち方などを参考に、少し銃を労わる撃ち方を憶えれば充分に使っていけると思います。
是非、多くのユーザーがこのモデルを楽しんで頂ければと思います。
東京マルイ
AK47 HC
(ハイサイクル)
販売価格: 25,578 円 243ポイント
詳しくは詳細ページへ。写真をクリックして頂くとジャンプします。
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今回はハイサイクルシリーズに関する考察も簡単に述べてみました。
AKショーティー
第一次のイラク戦争の後期あたりからチラホラ見られたのがAK47とM16の融合したようなモデル。
基本の発射システムはAK47でありながら、グリップやフロント、ストック周りやサイト周りなどがアーマライトと同様の形状になっており、ある程度の互換性まで持たせたこれらのモデルは中東での不正規作戦に従事する特殊部隊で運用されるのを目的として作られました。
なぜ、優秀なM4やそのバリエーションが幾つもあるのに、わざわざAK47の亜種の様なモデルを作るのか?
これは実に単純な理由で、最も大きいのは現地で弾薬の入手が容易になるからです。
当然のことながら銃はどんなに高性能でも高威力でも弾が無ければ役に立ちません。
不正規戦闘、不正規作戦においては弾薬などの補充を必要時にいつでも受けられるとは限らず、それだけに現地で広く使われているモデルと弾を共通にするのは非常に大きなメリットとなります。
このメリットを求めたのは特殊部隊員だけではありませんでした。
ある意味特殊部隊以上に弾薬などに制約が生まれやすい民間軍事会社・警備会社(PMC)の現地スタッフに取ってはより密接な問題だっただけに、かなり早い段階でAKをメインの装備へと加えることは行われていました。
彼らは現地で入手できるAKにさらに独自のカスタムを加えて、M4のオプション展開能力などを付加したり、と必要に応じて様々なカスタムを施しています。
今回発売となったAK47HCもそう言ったカスタムモデルの一つと非常に近いスタイルになっています。
彼ら特殊部隊員やPMC達は特に近接での戦闘が多くなるだけにショートモデルを愛用している傾向が強く、ベータスペツナズベースのこのモデルは正にPMCモデルそのもの、と言った風情になっています。
ベータスペツナズとHC
東京マルイのスタンダード電動ガン「AK47β(ベータ)スペツナズ」は元々非常に高い人気を誇るモデル。
ギリギリのショートスタイルとなっているフロントに固定ストックを備えたこのAKはその見た目のアンバランスさとは裏腹に非常に優れた前後バランスとなっており、特にアタッカー系のゲーマーに支持されています。
250連多連装マガジンが標準で付属している点も大きなポイントでした。勿論AKのシリーズなので600連マガジンの使用が可能と言う点も重要であり、ベータはアタックから支援まで幅広く使える優秀なモデルだと言えます。
そのベータの遺伝子を正統に受け継ぐ今作のハイサイクル(HC)も、今後ゲームスペシャルモデルとしての期待が掛かります。
取り回しの良さ、250連標準で600連も使える強力なファイアーパワー等のベータの良さはそのままに、内部をハイサイクルとし、さらにストックは発展性の高いM4と共通のタイプ。
このM4ストックが使える点は今作でハイサイクル化以上に大きな恩恵をユーザーに与えてくれる可能性があります。
M4はご存知の通り、現在最もカスタムパーツが豊富なモデル。
当然、主要部位の一つであるストックも新旧様々あわせればそれこそ星の数ほどの種類が存在します。勿論その全てを使用出来る、と言うわけではありませんが、大部分は流用可能となっている今作は、この圧倒的な発展性の一部を手にする事が出来るわけです。
M4用のカスタムストックは形状・機能が本当に様々あり、単純なストック以外にも射手に合わせて変形するものや、様々なものを収納することが出来たりなど、実にそのスタイルは様々。
本来なら新しいモデルが出たら、それに対応するパーツが出揃うのを待つのですが、このモデルでは既に出揃ったところに登場した格好なので、イキナリ様々なものを選ぶことが出来る、と言うのは実に大きなポイントだと言えます。
このポイントに加え、シリーズであるAK47、AK47S、ベータのユーザーが長年切望したマウントベースが標準装備となった点も見逃せません。
AK47シリーズは実銃で光学サイトを使うケースが少ないからか、何故かメーカー純正でマウントベースがオプションとして用意されることがありませんでした。
そのため、光学オプションを使いたいユーザーは社外のマウントを選ぶしかない状況でしたが、取り付けに一部加工が必要であったりと若干難易度の高いものが多く、特にビギナーユーザーや工作などが苦手なユーザーに取っては歯がゆい思いをさせられてきました。
それだけに今回、標準で20mmマウントベースが着いているというのは大きなポイントだと言えます。
流石にバッテリー交換の度に着脱されるアッパーフレーム上部に有る為、新型の固定方式を取っていても精密射撃用スコープ等を使うのには向きませんが、中~近距離でのドットサイトなどの使用で有れば充分な実用性を備えます。
またこのマウントベースへの変更に併せ、リアサイトがM16A2系に近い形状・方式となっており、高い視認性となっています。正直このサイトの性能なら光学サイトが無くても充分、と言えるほどです。
ハイサイクルのメリット・デメリット
今作が第4弾となる東京マルイのハイサイクルカスタムシリーズ。
勿論今更説明の必要も無い、通常モデルに比べ連射のサイクルを向上(1秒間に発射される数の増加)したメーカーカスタムモデルです。
秒間発射数の増加はそのまま判り易い「戦闘力アップ」であり、実にゲームでは有効なカスタムだと言え、東京マルイでも有る意味満を持しての登場でした。
このモデルでも専用のモーターを作ったりと、メーカーのやる気の高さも見て取れますが、元来カスタム専門ショップでも上級者向けとして施されてきたチューンメニューなだけにビギナーユーザーに取っては少々敷居の高いモデルとなってしまっている点が気になります。
ハイサイクルはその性質上、メカボックスへの負担が大きく、さらに一時的な弾詰まり(完全に詰まっているのではなく、少し出づらくなったぐらい)でもあっけなく破損したり、通常の電動ガンに比べメンテナンスのサイクルが早かったり、パーツの磨耗が早かったりといった感じで、全体に「扱うのに知識が要求される」タイプのモデルとなってしまっており、各専門カスタムショップが施した限界ギリギリのチューンに比べれば余裕を持ったつくりだとは言え、全く知らないビギナーには扱いきれないケースも多いようです。
折角魅力的なコンポーネントを持つモデルだけに、一部の中~上級者ユーザーだけでなく、初心者ユーザーにも使ってもらいたいだけに、場合によってはハイサイクルの封印も良いかもしれません。
今作では従来機同様にS型のEG30000モーターをセットしてきていますが、コレをEG1000へと換装すればサイクルを抑えることが可能です。詳しくは各カスタムショップさんに相談するなどをオススメしますが、ハイサイクルに拘らず、敢えてノーマルサイクルにするのも有効な手段。このモデルの構成ならばそれでも充分なメリットを得ることが可能だと言えるでしょう。
ハイサイクルとの付き合い方
ハイサイクルが扱いが難しい、と言う点はメーカーも把握しており、マニュアルに「ハイサイクルカスタム、使用上の注意」と言う補足説明を付けて来るに至っています。
基本はこの部分を守って使えば、と言いたいところですが、少々足りない点も有ります。
その最も重要なものの一つがトリガーの引き方。
電動ガンはトリガーをゆっくり、徐々に引くとスイッチの構造上、中途半端な通電が為されてしまうことが有ります。この中途半端な状態はスイッチにも大きな負担をかけますが、モーターにも影響を与えます。特にハイサイクル系に振られたチューンのモーターであるEG30000では負担も大きい為、スイッチ(トリガー)はできるだけ簡潔に、スパッと引いてスパッと放す、と言う使い方が良いようです。
またトリガーを引いていられる時間も重要です。
モーターは一部ショップのカスタムモーターをのぞけば基本的に回転時間が延びていくに従ってある程度まで加速して行きます。
EG30000も加速傾向のあるモーターで、あまり長時間のトリガーは限界を超える恐れが有ります。またこの様な使い方をすると発熱率も非常に高いため、補足説明にもある「グリップ(モーター)が加熱した場合」にすぐなってしまいます。
これらを避けるためにはトリガーを一回に引いている時間もできるだけ短くしておくべきでしょう。
具体的な数値は確認してはいないので言い切れないのですが、以前に聞いたとあるカスタムショップの推奨トリガー秒数は1秒前後で2秒未満で、と言うものでした。1秒でも十数発は発射されますから、10~20発撃ったらトリガーを放す、とすれば良いのでは無いでしょうか。10~20発撃ったらトリガーを放す、また10~20発撃ったらトリガーを放す、また・・・と繰り返していくわけです。トリガーの引き方自体は上記の通り、スパっと。長時間、ブーンと撃ち続けるよりも弾数のカウントもしやすくなりますし、オススメな運用方法です。
最後に
AK47HCはハイサイクルシリーズと言うこともあり、どちらかと言うと初めての方よりも経験があるユーザー向け、と言えます。マルイの上級者向けシリーズ、と言えるのかもしれません。
しかし、モーターを組み替えたりすればビギナーの方でも安心して使えるようになりますし、上記の撃ち方などを参考に、少し銃を労わる撃ち方を憶えれば充分に使っていけると思います。
是非、多くのユーザーがこのモデルを楽しんで頂ければと思います。
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東京マルイ
AK47 HC
(ハイサイクル)
販売価格: 25,578 円 243ポイント
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