2010年09月23日
AK
世界で最も成功を収めた銃、と言われると様々な論はあると思いますが、間違いなくAKは「数」において世界一であるだろうと言えます。
AKはロシア純正の47や74を主幹としたバリエーションモデルの他にも世界中の国々、地域、団体などで亜種となるコピーモデルや改造モデルが作られており、その数たるやまさに星の数、と言う表現がピッタリなほど。
何故、AKがこれほど世界中で作られるようになったか、と言うとこれはAKの設計思想にあります。
AKはロシア、旧ソビエトで「ミハイル・カラシニコフ」により1947年に開発された小銃です。実に今から60年以上前の話。第二次世界大戦後の新しい銃器としてドイツから鹵獲した銃器(後のアサルトライフルの祖といわれるSTG-44)をベースに開発されました。ちなみにこのドイツから鹵獲した銃器、もともとはソビエト側からドイツが鹵獲した「フルオート射撃が出来る小銃」をベースに開発されたのはある意味皮肉です。また近年、開発者であるカラシニコフ氏自身が米軍のM1を参考にしたことも言及されています。
AKの特徴はその優秀な設計思想。
非常に優れた基本概念に基づき作られており、60年以上が経つ現在においてもトップレベルの実力を誇る点からそれは証明されていますが、他のAKに影響を受けた銃(SIGの550シリーズなど)もまた世界でも指折りの優秀な銃器となっている点も見逃せません。
しかし、単に優秀な銃、と言うだけであればアメリカのアーマライト(M16シリーズ)ももちろん負けていません。しかし世界中がAKで溢れてM16はそうなっていない点に大きな違いがあるのです。
その違いとはAKは「工作に高い精度を要求しない」設計になっている点にあります。
M16シリーズ等は製造に高い工作のレベルとそれに見合った工作機械を持つことを要求されます。高い精度で製造されたパーツ同士を組み合わせた高精度な精密機器、それがM16シリーズと言う印象です。実際M16は高い命中精度を持ったスマートなモデルです。
これにに対しAKは当時のソビエトの社会状況を反映しておりそこそこレベルか、それ以下の精度のパーツを組み合わせて組み上げられることが前提となりました。このためパーツ同士の組み合わせにかなりの「ゆらぎ」を容認出来る様になっています。このおかげでAKは設備の整っていない、または整えられない国、組織でも製造・運用が可能になっています。これが世界中にAKの亜種が蔓延する原因ともなったのです。
しかし、その低精度で高い性能を発揮できる、と言うのは設計の優秀さを裏付けていると言えます。
さらにAKは幾つかの構成パーツをブロック化していることで「全体として」の生存率の高さを向上しています。これはどういうことかと言うと故障した銃Aと同じく故障した銃Bがあった場合、AとBが故障した場所が違っていればAのパーツをBに、またはその逆で移植すれば故障した2丁のうち1丁は復活させることが容易になっている、と言うわけです。これは戦力を維持する、と言う観点からも非常に有益なシステムです。
また全体に余裕のある構造なので多少ごみが機関部に入ったり、衝撃などで銃が歪んでしまっても作動出来る可能性が高いなど、耐久性や各種の環境(極寒や灼熱、砂漠や多湿など)への対応性などを大きく向上させています。この点も現在、紛争地帯となっている中東や南米等で広く使用されている理由だと言えます。
現在の、テロリストやゲリラにAKのコピーモデルが広く使われていることは設計者であるカラシニコフ氏は悲しみ憤っていますが、道具としての普及率として見た場合にはこれほど成功したものもまた稀有でなかろうか、と言う成功を収めていると言えるのでは無いでしょうか。
海外のTV番組かなにか。
Tales of the GUN」AK編1~5です。
毎度おなじみ残念ながら、外国語なので何を言ってるのか判らないのですが、AKの歴史的な部分の動画から色々見れますので、なかなかに楽しめます。
AKはロシア純正の47や74を主幹としたバリエーションモデルの他にも世界中の国々、地域、団体などで亜種となるコピーモデルや改造モデルが作られており、その数たるやまさに星の数、と言う表現がピッタリなほど。
何故、AKがこれほど世界中で作られるようになったか、と言うとこれはAKの設計思想にあります。
AKはロシア、旧ソビエトで「ミハイル・カラシニコフ」により1947年に開発された小銃です。実に今から60年以上前の話。第二次世界大戦後の新しい銃器としてドイツから鹵獲した銃器(後のアサルトライフルの祖といわれるSTG-44)をベースに開発されました。ちなみにこのドイツから鹵獲した銃器、もともとはソビエト側からドイツが鹵獲した「フルオート射撃が出来る小銃」をベースに開発されたのはある意味皮肉です。また近年、開発者であるカラシニコフ氏自身が米軍のM1を参考にしたことも言及されています。
AKの特徴はその優秀な設計思想。
非常に優れた基本概念に基づき作られており、60年以上が経つ現在においてもトップレベルの実力を誇る点からそれは証明されていますが、他のAKに影響を受けた銃(SIGの550シリーズなど)もまた世界でも指折りの優秀な銃器となっている点も見逃せません。
しかし、単に優秀な銃、と言うだけであればアメリカのアーマライト(M16シリーズ)ももちろん負けていません。しかし世界中がAKで溢れてM16はそうなっていない点に大きな違いがあるのです。
その違いとはAKは「工作に高い精度を要求しない」設計になっている点にあります。
M16シリーズ等は製造に高い工作のレベルとそれに見合った工作機械を持つことを要求されます。高い精度で製造されたパーツ同士を組み合わせた高精度な精密機器、それがM16シリーズと言う印象です。実際M16は高い命中精度を持ったスマートなモデルです。
これにに対しAKは当時のソビエトの社会状況を反映しておりそこそこレベルか、それ以下の精度のパーツを組み合わせて組み上げられることが前提となりました。このためパーツ同士の組み合わせにかなりの「ゆらぎ」を容認出来る様になっています。このおかげでAKは設備の整っていない、または整えられない国、組織でも製造・運用が可能になっています。これが世界中にAKの亜種が蔓延する原因ともなったのです。
しかし、その低精度で高い性能を発揮できる、と言うのは設計の優秀さを裏付けていると言えます。
さらにAKは幾つかの構成パーツをブロック化していることで「全体として」の生存率の高さを向上しています。これはどういうことかと言うと故障した銃Aと同じく故障した銃Bがあった場合、AとBが故障した場所が違っていればAのパーツをBに、またはその逆で移植すれば故障した2丁のうち1丁は復活させることが容易になっている、と言うわけです。これは戦力を維持する、と言う観点からも非常に有益なシステムです。
また全体に余裕のある構造なので多少ごみが機関部に入ったり、衝撃などで銃が歪んでしまっても作動出来る可能性が高いなど、耐久性や各種の環境(極寒や灼熱、砂漠や多湿など)への対応性などを大きく向上させています。この点も現在、紛争地帯となっている中東や南米等で広く使用されている理由だと言えます。
現在の、テロリストやゲリラにAKのコピーモデルが広く使われていることは設計者であるカラシニコフ氏は悲しみ憤っていますが、道具としての普及率として見た場合にはこれほど成功したものもまた稀有でなかろうか、と言う成功を収めていると言えるのでは無いでしょうか。
海外のTV番組かなにか。
Tales of the GUN」AK編1~5です。
毎度おなじみ残念ながら、外国語なので何を言ってるのか判らないのですが、AKの歴史的な部分の動画から色々見れますので、なかなかに楽しめます。